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Theatre with Care
質の高い舞台芸術を創造し、求める人々に対し提供することが、芸術家の、アートマネジメントの、舞台芸術に関わるプロフェッショナルの責務と考えられてきました。しかしながら、21世紀の到来とともに、それに加えて、地域と、人々と、社会と関わることが求められるようになりました。
教育普及事業は、とりわけ、公立文化施設において、この20年のあいだに広く普及し、様々な事業が展開されるようになりましたが、提供する組織の活動の中で明確に位置付けられ、重視されているのでしょうか?社会全体の大きな動向と組織のポリシーといったマクロと、慌ただしい日々の活動のミクロを統合して考えられるアートマネジメント人材が求められているように思われます。
また、障がいや病気のために舞台芸術にアクセスできない、参加できない人々に対しての活動は、「障害者差別解消法」(2016)ならびに「障害者文化芸術推進法」(2018)の制定以来、少しずつ活動が増加し、改善されてきましたが、それでも、芸術のもつ本質的な力がいまだ十分に浸透しているようには見えません。
日本においても、「リラックス・パフォーマンス」の実践が試行錯誤で進められています。これまで劇場に足を運べなかった人々が劇場へといざなわれるようになりました。車椅子等への対応、手話、字幕、タブレット、オーディオ解説等、様々なバリアフリー化が試みられるなかで、しばしば知的障がい者の鑑賞の壁となってきた照明や音響、演出等、ソフト面でのバリアフリー化にはなかなか踏みこめない。
また、文化的、社会経済的な問題から舞台芸術にほとんどアクセスできない、参加できない人々への配慮は行き届いていないままではないでしょうか。
ケアという理念は、芸術創造や提供からは程遠い存在なのでしょうか?
演劇系の大学等で、演劇を学べば学ぶほど、芸術を学べば学ぶほど、社会との関係性を紡いでいく演劇、芸術のあり方、環境と創造のバリアフリー化の世界的動向からは遠ざかっていく感をしばしば覚えてきました。
活気とクリエイティブな空気の溢れる環境、新しい劇場組織のあり方、演劇を使った社会包摂活動のポリシーとプログラミングの実践を、若い世代に提供する必要があると考えています。
また、劇場で、舞台芸術で働く人々のケアの問題も忘れてはなりません。劇場にとって働く人々は最も大切な資源だからです。平等でハラスメントのンない環境づくりと、アーティストやスタッフの守り方、活かし方についても考えていく必要があるのではないでしょうか?
このシンポジウム&ワークショップでは、英国の地域劇場の雄リーズ・プレイハウスの事例を紹介するとともに、日本全国の公立文化施設等で繰り広げられる模索、知的障がい&重度重複障がいといった声を上げられない人々の声を拾いながら、舞台芸術がいかに「ケア」という視点を構築しているのかを探っていきます。
1997年の出会いから27年。エデュケーション・ディレクターから英国を代表する地域劇場のリーダーにまで成長した盟友ジェームス・ブライニングを迎えて、芸術創造ならびに劇場運営を担うリーダーの責務、そして苦悩をもわかちあう機会になることを望んでいます。
中山夏織(プロデューサー)
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21世紀英国演劇に学ぶ
劇場と舞台芸術の
<ケア>する力
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1.シンポジウム
「劇場と舞台芸術の<ケア>する力」
日時 2024年8月3日(土)15:00-18:30
会場 シャロームみなみ風地域交流スペース(新宿区弁天町)
基調講演 「ケアと21世紀英国演劇」ジェームス・ブライニング
(演出家&リーズプレイハウス芸術監督、チーフエグゼクティブ)
パネルディスカッション「劇場が変えていく未来」
パネリスト ジェームス・ブライニング
草加叔也(劇場コンサルタント/空間創造研究所)
廣川美也子(シャロームみなみ風施設長)
進行 中山夏織(シアタープランニングネットワーク)
定員 50名
参加費 1,000円
逐語通訳付き
シンポジウムの記録はオンラインで配信を開始いたしました。
視聴料 1,000円
(基調講演のみ、日本語字幕がついています)
メールにてお申込み下さい。
2.アートマネジメントワークショップ
「劇場のポテンシャルを広げるポリシーと組織づくり」
日時 2024年8月4日(日)10:00-13:00&14:00-17:00
会場 シャロームみなみ風地域交流スペース(新宿区弁天町)
講師 ジェームス・ブライニング
アシスタント 中山夏織
逐語通訳付き
定員 16名
参加費 3,000円
お問合せ・お申込み
メールにて事前にお申込み下さい。
お申込みの際に、参加プログラム、お名前、ご住所、電話番号
ご職業、ご所属、職歴・芸歴(年数)をお知らせください。
学生の方は職歴・芸歴は不要です。
以下のQRコードには必要情報を記載しています。
参加費の支払い方法等、ご案内申し上げます。
tpn1@msb.biglobe.ne.jp
主催 特定非営利活動法人シアタープランニングネットワーク

終了。シンポジウム記録配信中。下記をご参照下さい。
助成

文化庁文化芸術振興費補助金
(舞台芸術等総合支援事業(芸術家等人材育成))
独立行政法人日本芸術文化振興会
後援 公益社団法人国際演劇協会
広報協力 特定非営利活動法人舞台芸術制作者ネットワーク
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